ディーフェスタ溝の口にご入居されたお客様の事例を連載でご紹介いたします。
身近なケースとして参考にして頂ければ幸いです。
統合失調症にて精神科病院に長期入院されていたA様が、65歳を機に障害福祉サービスから介護保険に移行しディーフェスタ溝の口にご入居された事例です。
国では、平成22年度から地域の関係者の連携の下、統合失調症をはじめとする入院患者の減少及び地域生活への移行に向けた「精神障害者地域移行・地域定着支援事業」を推進。長期入院間患者の地域移行を進めてきました。
(『厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部精神・障害保健課 地域定着支援の手引き』参照)
特に高齢の障がい者の場合、入院での治療が必要なければ、必要に応じて介護保険法など既存の施策を活用し、地域の中で生活してくことが目標になりました。
A様は長期入院(合算でおおむね30年ほど)と入院生活が長かったため、病院が「住まい」のようになっており、服薬管理など院内でサポートを受けつつも、精神科以外の受診や散髪、日用品の買い物などは一人ででかけるなど自立していました。
通院による経過観察、服薬管理、入浴介助などサポートを受ければ退院可能と判断され、地域移行支援員さんの支援のもと退院後の生活の場を探しはじめました。
近親者に同居できる方がおらず、一般の賃貸住宅では借りられる物件が少ないこと、長く援助者が常にそばにいる環境で過ごされてきたことから一人での生活に強いい不安を感じていました。
一方で外出は一人で可能であり、入浴の見守り以外は特に介護も必要でないため介護施設では過剰サービスとなる恐れがあることから、サービス付き高齢者向け住宅の物件を検索。
地域移行支援員さん、病棟の看護師さんとともに複数の物件を見学され、ニーズに合致したことから当住宅に入居されました。
入居後は服薬支援は薬局による訪問服薬指導と住宅の服薬支援サービス、入浴介助は併設の訪問介護によるサポートを実施。
ご入居当初は病院とは違う環境に不安を感じておられましたが、住宅のスタッフや近隣の住民の皆さまとの交流を通して、住宅での生活にも慣れてきました。
調子が悪いときは短期で入院し、退院後は自室にもどり生活を継続しました。
このようにして、医療・介護・生活支援の連携、フォーマルサービスとインフォーマルサポートの連携により、地域への移行・定着を達成することができました。
「精神障害者地域移行・地域定着支援事業」では、住まいの確保が重要です。
また、生活支援などインフォーマルの役割も非常に重要です。
当住宅では地域移行後も安心して暮らしていただけるよう、住まいとしての受け皿の役割をはたしていきたいと思います。