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PROJECT プロジェクト
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介護品質を進化させる
テクノロジーの導入・推進

テクノロジーの力で、
介護をもっと人間らしく。

なぜ介護にテクノロジーを導入しなければいけないのか?

緊急ではないから、推進しづらい。
テクノロジー導入の根本的な壁に立ち向かう。

厚生労働省は2017年から、高齢者産業においてテクノロジーやデータを活用することを推奨してきました。介護の労働者人口が減っている今、ICT化を加速させないと需要に供給が追いつかなくなるという危機が迫っているからです。しかし「いつまでに何をするのか」ということが国から介護事業所に明確には義務化されておらず、目の前の介護業務に追われやすい事業所にとって、テクノロジー導入の優先順位を上げることが難しいのです。大手企業は少しずつ取り組み始めていますが、業界のほとんどを占める中小規模の介護事業所では、補助金があっても人員と時間の関係で取り組むことが困難な状態。

当社では多くの壁に立ち向かいながらも、数年前からテクノロジー導入に取り組み始めています。その第一歩となったのが、私たちなりの意味づけです。業務効率を上げることができたら、介護スタッフへの負担を減らせる。介護スタッフへの負担を減らせたら、介護本来の目的であるお客さまと向き合う時間をつくれる。手段を目的化せず、その先にある介護のあるべき姿に向けてテクノロジー導入を進めることを大切にしてきました。

テクノロジー導入に立ちはだかる壁

まずは、現場の介護スタッフが
メリットを実感できる最初の一歩から。

大義を理解していても、いざテクノロジー導入に取り組むとなると難しいものです。当社でも、昨日まで問題なく運用していたプロセスを一夜にして変えることは難しいと当初から理解していました。特に「デジタル」「テクノロジー」とは、人肌の温かさのある介護からかけ離れていると感じてしまう介護スタッフも多く、導入に躊躇する現場社員がいたことも確かでした。

そこで、当社で大切にしたのはメリットを感じてもらうために、簡単なことから取り組みを始め、小さな成功体験を重ねていくこと。また、すべての事業所に一括導入するのではなく、一つの事業所から導入を始め、その良さを実感してもらった上で、横展開をしていくことです。もちろん、時間はかかります。しかし持続的にテクノロジーを活用していくためには、トップダウンではなく、介護スタッフが自ら納得した上で進めることが何よりも大切だと感じました。

たとえば、在宅介護で導入したけあピアノート。これは当社が共同開発した、お客さま情報を多職種間で共有・連携するコミュニケーションアプリなのですが、まずはヘルパーによるお客さま宅の訪問時・サービス終了時ににスマートフォンでワンボタンを押すという、シンプルな動作に協力していただくことから始めました。また、施設介護では紙の記録をすべてシステム化していくにあたり、まずは一つの事業所から導入し、試行錯誤を重ねて導入の仕方を改善し、その経験を踏まえて他の事業所に展開していきました。

このような地道なステップを重ねていくことで、徐々に現場で働く介護スタッフにテクノロジー導入の具体的なメリットを実感してもらい、そこからより多くの事業所でも導入を進めたり、新たなテクノロジーを取り入れたりとどんどん大きな玉を転がしていきました。

みずたま介護ステーションでの導入施策

けあピアノートで情報共有の質をあげ、
お客様に届ける価値を高める。

けあピアノートとは、訪問介護におけるヘルパーとサービス提供責任者の連絡・申し送り・報告を便利にする、最新の記録ツールです。電話連絡などの日々の間接業務を軽減し、必要な報告・連絡を密に行うことで、“サービスの質の向上”を図ります。みずたまの現場で導入し、介護スタッフの力を借りながらフィードバックと改善を重ねながら、介護品質を高めることに尽力してきました。

けあピアノートの導入を通して、このような具体的なメリットが見えてきました:

  • メリット
    1

    ヘルパーとサービス提供責任者がオンタイムにお客さまのサービスに関する申し送りと報告を共有できるようになったことで、さまざまな事態に対する対応がより素早くできるように。

  • メリット
    2

    サービス提供の日には、ヘルパーが昨日、一昨日、先週の状況を把握し、前もって準備をしてからケアに挑むことができるように。

  • メリット
    3

    担当のヘルパーやサービス提供責任者だけでお客さまに関する情報を管理するのではなく、ステーション全体で情報管理ができるようになり、計画的な休暇取得など柔軟な勤務体制が可能に。

お客さまにとっても、介護スタッフにとっても、大きなメリットを感じ始めています。

ヒルデモア/ヒュッテでの導入施策

情報のデジタル化。インカムやロボットの導入。
ご入居者と向き合う時間がより豊かに。

ヒルデモア/ヒュッテは人間らしい介護を長年大切にしてきたからこそ、テクノロジー導入へのハードルが高いと感じていました。しかし、人間らしい介護を支えるためのテクノロジー導入へと考え方を切り替え、積極的に取り組んできました。中でも、情報管理をデジタルへシフトすることを早期に取り組み、その後にはインカムやiPadの導入、ご入居者やご家族にも喜んでいただけるロボット「LOVOT」の活用など、あらゆる角度から人間らしい介護の実現に向けて取り組んできました。

  • 取り組みその1:
    情報管理のデジタル化

    情報の編集・管理の手間を省くために、情報管理のデジタル化をまずは推進。一つの施設への導入から始めて、既存のマニュアルを慎重に更新し、その後に記録システムをホームごとに変えていくことに成功しました。テクノロジー導入の大事なファーストステップとなりました。

  • 取り組みその2:
    インカムの導入

    以前はPHSを使ってスタッフからスタッフへ1対1の連絡を入れ、不在時には折り返しの連絡をしていたところ、インカムを全員が耳に付けることで、全スタッフに同じ情報を届けてお互いにフォローしあえるようになりました。チーム介護を強化することに成功した施策です。

  • 取り組みその3:
    シフト組みの最適化

    ヒルデモア/ヒュッテのスタッフは交代制のシフトで勤務しているため、支配人やフロアリーダーは常にシフト組みに時間を費やしていました。しかしシフト作成のソフトを導入することでこの業務の負担が大幅に減り、スタッフにとっての公平さも生み出すことができました。

  • 取り組みその4:
    家庭用ロボットの迎え入れ

    さまざまなコミュニケーションロボットの使用・検証を重ねてきた結果、たどり着いたのがLOVOT。かわいい、愛着が湧くとご入居者、ご家族、スタッフに親しまれ、今では各ホームの一員として溶け込み、ヒルデモア/ヒュッテの全施設での導入に向けて取り組んでいます。

テクノロジー導入の今後の展望

自社での推進、他社への提案を通して、
業界全体の介護品質をさらに高めていく。

当社はここ数年でテクノロジー導入に向けて大きな進歩を遂げてきましたが、まだこれから実現していきたいことがたくさんあります。

たとえば在宅介護では、けあピアノートで蓄積したヘルパーのコメントを解析して、お客さまにとってのより良いケアを提案すること。AIでの疾患分析を通して基本的なケアプランを生成し、その分、お一人おひとりらしいカスタマイズに時間をかけられるようにすること。お客さまのご自宅に設置する見守りセンサを通して、日常的な活動状況を把握し、ケアプランのさらなる改善につなげること。テクノロジーの活用を通して、お客さまにもっと寄り添うことができると信じています。

施設介護ではご入居者のためにもっと時間を費やせるように、さらなるテクノロジー導入を検討しているところです。現場で働くスタッフの業務効率化はもちろんのこと、在宅介護と同様にケアの品質を高めるためにご入居者に関するデータを集め、明日、来週、来月のお身体の状況を予測し、より正確で効果的なケアを実現していきたいと考えています。

また東京海上グループと連携できることも、強みとしてさらに伸ばしていきたいです。すでに存在する既存サービスを導入するだけではなく、自社の現場からニーズを掘り出し、東京海上グループと連携しながら開発パートナーを見つけ、一緒にサービスやアプリケーションを生み出すことも今後さらに強化できると考えます。

テクノロジーはあくまでもツールで、本来の目的はより良い介護ケアを届けること。その本質を忘れずにテクノロジー導入をさらに加速させ、業界内でも一つのモデルになっていくことを目指します。

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